病気&検査

高脂血症

高脂血症は、高血圧、糖尿病、喫煙と並んで動脈硬化を引き起こす重要な危険因子です。しかし本症では自覚症状が認められないため、血液検査を施行しない限りその存在すら確認されない場合があります。さらに高脂血症は全く苦痛のない病態であるため、その危険性や長期的な治療の必要性を理解するには、疾患に対する十分な知識と将来を見据えた展望が必要となります。

I. 高脂血症の新しい診断基準

2002年に日本動脈硬化学会より『動脈硬化性疾患治療ガイドライン』が発表されました。これでは、高脂血症を高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド血症の4種類に分類し(表1)、それぞれの診断基準が示されました。また今回のガイドラインの一番の特徴は、高脂血症以外の危険因子により患者さんを層別化して、それぞれの治療目標を設けた点です。

II. 高脂血症の治療法

高脂血症の治療は厳格な食事療法と適切な運動療法が基本となりますが、これらにより基準値に達しない方には、薬物療法が施されます。最近の薬物療法は、HMG-CoA還元酵素阻害薬が主流で、プラバスタチン(メバロチン)、シンバスタチン(リポバス)、フルバスタチン(ローコール)、アトルバスタチン(リピトール)、ピタバスタチン(リバロ)の5種類が使用されています。各症例の管理基準に合わせて薬剤が選択されますが、基本的に目標値に到達していれば、どれも極めて有用な薬剤です。ごく稀に、筋肉の痛みや血液検査値の異常を生じる可能性がありますので、主治医の先生から十分に説明を受け、定期的な受診と血液検査をお薦めいたします。
高脂血症の治療の目的は、脳、心、腎などの主要臓器の合併症を予防することです。高脂血症だけでなく、運動、食塩制限、禁煙などに気をつけ、生活習慣を是正できるよう努力してください。本症についてご質問がある場合は、ご遠慮なくご質問下さい。

(文責 平光伸也)

種 類 検査項目 基準値
高コレステロール血症 総コレステロール ≧220mg/dl
高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール ≧140mg/dl
低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール <40mg/dl
高トリグリセリド血症 中性脂肪 ≧150mg/dl

Last Update : 2004/02/27

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